Takuya Yada's 重金属ブログ

関西で音楽活動(主にメタル)をしているTakuya Yadaがメタル、イギリス、映画について考察するブログです

Glory 初級編 (重金属系譜図6 80s欧州メタル)(メタル系譜図)

こんにちは!
本日は前回の告知通りGoran Edman特集という事でGloryです!!
と言いましても、全盛期の後に加入ですが。

ではいきましょう!

 

 

 

1️⃣ Gloryとは?

まず80年にスウェーデンストックホルムにて、「Glory Bell’s Band」というバンドが結成されます。
82年に「Dressed In Black」、85年に「Century Rendezvous」というアルバムをリリースします。
音楽性は、NWOBHMジャーマンメタル系でした。

バンドはその後、解散し、リーダーのGlory Northは新たなプロジェクトを立ち上げます。
しかし結局プロジェクトは失敗に終わります。
そのプロジェクトに参加したJan Granwick (Gt)とMatt Driver (Dr)が作ったバンドがGloryです。

89年に「Danger in This Game」をリリース。
91年には「2 Forgive is 2 Forget」

そして、93年に、元MadisonのGoran Edmanが加入して「Positive Buoyant」がリリースされます。
元々、Jan Granwickのソロアルバムとして制作されていたアルバムなので、4曲がインスト曲になっています。

そして94年に「Crisis Vs Crisis」をリリース。
98年には「Wintergreen」をリリース。

そして解散しました。


Peter Eriksson (Vo)     Andy Loos (Ba)     Jonas Sandkvist (Key)     Jan Granwick (Gt)      Matt Driver (Dr)

1st : Danger in This Game (89)

Peter Eriksson (Vo)     Andy Loos (Ba)        Jan Granwick (Gt)      Matt Driver (Dr)

2nd : 2 Forgive is 2 Forget (91)

Goran Edman (Vo)     Jan Granwick (Gt)     Andy Loos (Ba)     Jonas Ostman (Dr)

3rd : Positive Buoyant (93)

Goran Edman (Vo)     Jan Granwick (Gt)     Mikael Berner (Ba)     Morgan Agren (Dr)

4th : Crisis Vs Crisis (94)

Goran Edman (Vo)     Jan Granwick (Gt)     Johan Granstrom (Ba)     Jonas Ostman (Dr)     Mats Olausson (Key)

5th : Wintergreen (98)


 


Wintergreen

 


2️⃣ 考察

デビューはギリギリ80sと遅いですが、とりあえず、1stの「Danger in This Game」を聞いてみてください!
捨て曲なしの名盤です!!

音楽性は中期のEuropeの感じです。
2ndも良作です!

Goran Edman登場により少し流れが変わります。
3枚目は元々インストアルバムでしたので、不自然にならない絶妙な感じで歌が入ってるのとやはりJan Granwickうまいですね!って感じのアルバムです。
弾きまくる系のインストでなく楽曲主義なんで、ピロピロインストが嫌いな方でも普通に聞いていただけるアルバムですね。

4枚目の「Crisis Vs Crisis」で完全に作風が変わります。
Goran Edmanフル参加は初めてのアルバムという事で、少し迷いはある感じは感じますが、新しい方向を示すという意味では良作です。

そして、98年の「Wintergreen」。
一曲目であっ!ってなります。笑   もうYngwieなんですよね。 ヨランエドマンもいますし。笑
これはダメだと思った方多いと思いますが、三曲目から完全に全盛期のGloryに戻ります。
正直良作です!

バッチリと90年代のメタル暗黒期に活動してここまでグランジとかに逃げずに名盤を作り続けたバンドって少ないと思うんですが。

オススメですが、「Danger in This Game」はマストで、「2 Forgive is 2 Forgot」も良作です。
Goran Edman期は完成系という意味で「Wintergreen」をお勧めします。

残念ながらほぼ絶版なんで中古でしか手に入りませんが、見つけたら是非試してみてください!!

ではまた次回! 🤘🤘Stay Metal🤘🤘



Positive Buoyant

Madison 初級編 (重金属系譜図6 80s欧州メタル)(メタル系譜図)

こんにちは!
本日はMadisonです。
80s 欧州メタルといえばGoran Edmanというくらい方々で歌っているシンガーですよね。
なので、来週もEdmanのバンドにしたいと思います。
ちなみに、Yngwieはネオクラなんで省いてますのでご了承を。。
ではいきましょう!

 

 

 

1️⃣ Madisonとは?

81年にスウェーデンにて、「Regent」というバンドがタレントコンテストにて優勝し、そのメンバーにより結成されました。
コンテストの商品がシングルリリースの権利であったため、「Lay Dwon Your Arms」「Changes」のシングルをRixi Recordsよりリリースします。

その後、Conny Sundqvist (Ba), Dan Stomberg (Gt)が加入し、バンド名を「Madison」に改名。
そして、84年に「Diamond Mistress」をリリースします。

86年に「Best In Show」をリリースします。
前作よりもメロディックでポップな作風となりました。

しかしながら、2枚のアルバムにて解散となりました。
ボーカルのGoran Edmanはその後、John Norlam,Yngwie Malmsteen, Gloryなどの有名バンドに加入する事になります。


Goran Edman (Vo)     Anders Karlson (Gt)     Dan Stomberg (Gt)     Conny Sundquist (Ba)     Peter Fredrickson (Dr)

1st : Diamond Mistress (84)
2nd : Best In Show (86)



Diamond Mistress





2️⃣ 考察

 

MadisonといえばやはりGoran Edmanですよね。
Madisonがデビューバンドということですが、もう65歳なんですよね。。
長く続いたバンドはGloryくらいなんですが、参加バンドが28バンドとえらい事になってます。笑

一番新しいので、The Senior Managementというバンドですが、全盛期のハイトーンは出ないものの本当に声に色気のあるシンガーです。

さて、Madisonに戻りまして、デビューは以前紹介したEuropeと同じ経緯で、Europeはアメリカのグラムによりましたが、Madisonは、NWOBHM,ジャーマンメタルに行きました。

音源を聴く限り本当になぜこのバンドがムーブメントに乗れなかったのかが不思議で仕方ありません。。
ヨーロッパのムーブメントは確かに80年代中期から弱くなりましたが、デビューは84年でギリギリ間に合ってると思いますし、歌唱法的に似ているHelloweenもその時期でしたしね。。
バラードも例えば「Best in Show」の「Shine」の様に名曲もあるんですが。。

こればかりは本当に運としか言えないので。。。

正直、2枚ともオススメです。
NWOBHM,ジャーマンメタルが好きな方は是非手にとっていただきたいですね。

 

 

 


Best In Show

Biscaya 初級編 (重金属系譜図6 80s欧州メタル)(メタル系譜図)

こんにちは!
今日はスウェーデンの伝説のバンドBiscayaです。
当時ラジオでヘビロテされた曲「Howl in the Sky」が有名ですが、結構その曲しか知らないという人が多いんですよね。

短命バンドですので、さくっといきますね!

 

 

1️⃣ Biscayaとは?

1982年にスウェーデンイエテボリにて結成されます。
正統派メタルにDeep Purpleの様なプログレッシブ、クラシカル要素の入るサウンドで、スウェーデンメタルにとってかなり重要になるバンドです。
バンド名の読み方は「ビスケイヤ」、「Howl in The Sky」は当時日本のラジオでもかなり流れており、Burrn!でも高い評価を得ていました。

しかしながら、デビューアルバムの一枚のみで解散。
90年に「Howl in Sweden」というライブブートレグが出ましたので、公式な音源としては、この2枚のみでした。

Mads Clausen (Vo)     Par Edwardsson (Gt)     Martin Hedstrom (Gt)     Johan Stronberg (Ba)     Birger Lofman (Dr)     Magnus Stromberg (Key)

1st : Biscaya (83)

 

 

 

2️⃣ 考察

はい、Biscayaですが、やはり「Howl in the Sky」の印象が強いですよね。
Yngwieのソロ1枚目が84年発売、Steelerが83年なんで、上手く行けばその後に起こったネオクラシカルのムーブメントに乗れたはずなんですが、アルバム「Biscaya」を通して聞けばなんとなく分かる様な気がします。

アルバムは「Howl in the Sky」から始まります。Deep Purple, Rainbow, Uriah Heepの路線でやはりカッコ良いです。リフはRainbowのSpotlight Kidの感じですね。

2曲目「Fools」はEuropeの1枚目の様な雰囲気。次は「Summerlove」。
バラードですね。

次は「Weekend」。 Deep PupleのSpeed Kingみたいな曲です。
そして、インスト曲「Biscaya」。 大作系で、プログロックのバンドがやりそうな曲です。

「Singing in Harmony」。。。 いきなりDave Lee Roth期のVan Halenみたいな曲。笑
「Sunrise」はジャーマンメタルっぽい感じですが、どこか聞いたことのある様な感じ。

ハードロック曲「Walls」インストの「Divine Lady of warmth」プログレ曲「Rocking Vehicle」。。。。。

ともうお分かりの通り、方向性がバラバラなんですよ。 アルバムを聴き進めるごとに「Biscayaっぽさ」というものが分からなくなる不思議なアルバムです。

きつめに言ってしまうと、●●風な曲みたいな感の曲を集めているだけな感じです。
演奏技術があるだけに聞いてしまうのですが、普通、例えばDeep Purpleが好きで、Van Halenも好きというのであれば、Deep Purple系を土台に少しアメリカンテイストを入れるということをすることで、そのバンドの色というのが出てくるんですよね。

しかし、BiscayaはDeep Purpleみたいな曲、Van Halenみたいな曲という風にしてしまってるから、パクリに取られてしまう危険性がありますよね。

多分それが、解散の理由じゃないかと思います。
2枚目作るときに、「じゃあ2枚目は何する?」から始めないといけない様な気がして。笑

詳しいことは分かりませんが、とても興味深いバンドで、最近やっと、復刻版で通常の値段で買える様になりましたので、興味ある方は是非!

では、また次回! 🤘🤘Stay Metal🤘🤘


 

 


北欧の戦士(紙ジャケット仕様)

 

 

Europe 初級編 (重金属系譜図6 80s 欧州メタル)(メタル系譜図)

こんにちは!!
今日から新しいジャンルのバンド考察にいきます!
80s欧州メタルの一発目はやはりこのバンドでしょうね。 Europeです。
一般的には、「The Final Countdown」なんでしょうが。。笑

とりあえずやっていきます!

 

 

 

 

 

1️⃣ 結成

1979年、スウェーデンストックホルムにて
Joey Tempest (Vo), John Norum (Gt), Peter Olsson (Ba), Tony Reno (Dr) により結成されます。

その時のバンド名は「Force」でした。
そして82年、Tempestのガールフレンドが国内のタレントショー「Rock-SM」に応募し、4000組のバンドの中で優勝をしたことをきっかけに、「Hot Records」と契約します。
この際にバンド名を「Europe」に改名します。

翌年にデビューアルバム「Europe」がリリースされ、スウェーデンと日本でヒットします。

84年に「Wings of Tomorrow」をリリースし、CBS Recordsと85年に契約する事になります。


Joey Tempest (Vo)     John Norum (Gt)     John Leven (Ba)     Tony Reno (Dr)

1st : Europe (83)
2nd : Wings of Tomorrow (84)

 


明日への翼

 

2️⃣ 黄金期

85年にバンドは「On the Loose」という映画のサントラのために曲を録音します。
その曲「Rock the Night」がヒット曲となり、さらに注目を集めます。

同年、Epic Recordsと契約、86年に「The Final Countdown」がリリースされます。
このアルバムが全世界で大ヒットアルバムとなります。
しかし、ハードロックから遠のいた作風とこれからバンドが向かう方向性に疑問を持ったNorumは脱退します。

代役にKee Marcelloが選ばれました。

88年には「Out of This World」がリリースされます。
このアルバムも前作同様、ポップメタル路線になりつつも、シングル含めヒット作となります。

91年に「Prisoners in Paradise」がリリースされます。
良作のアルバムでしたが、シーンはメタルからグランジに移りつつあり、メインストリームでのハードロック、メタルの人気が落ちてきていたこともあり、良いセールスではありませんでした。

このアルバムでのツアーでバンドは無期限の休止を発表します。
Norum, Tempest, Marcelloはソロ活動やセッション活動を始めます。


Joey Tempest (Vo)     John Norum (Gt)     John Leven (Ba)     Ian Haugland (Dr)     Mic Michaeli (Key)

3rd : The Final Countdown (86)

Joey Tempest (Vo)     Kee Marcello (Gt)     John Leven (Ba)     Ian Haugland (Dr)     Mic Michaeli (Key)

4th : Out of This World (88)
5th : Prisoners in Paradise (91)

 


ファイナル・カウント・ダウン

 

 

3️⃣ 再結成

98年、メンバーは再結成に向けての話し合いを開始します。
グランジのブームが終わり、次第にメタルのシーンが元に戻りつつあるため、バンドは最適なタイミングだと判断し、John Norumを含むメンバーが呼び出され、翌年99年に、Marcello, Norumの二人が参加する唯一のライブが開催されました。

03年に再結成後初のアルバム「Start from the Dark」がリリースされます。
Norum在籍時の音に比べ、ヘヴィーでモダンなギターリフにEuropeらしいメロディーが乗る新しくも懐かしい作品となり、60万枚のセールスというヒット作となります。

06年には「Secret Society」がリリースされます。
前作のサウンドを基盤にさらにメロディックな作品になりました。

08年にはストックホルムにて「Almost Unplugged」というライブが開催され、公式サイトより、全世界配信されました。
同年この音源は同タイトルでリリースされ、DVDも09年に発売されました。

09年に「Last Look at Eden」がリリースされます。

そして、12年「Bag of Bones」がリリースされます。
ヘヴィネスの中に少しブルース色が出てきており、サウンド的にもバンドの新しい方向を示す作品となりました。

15年に「War of Kings」がリリースされます。
再結成後の集大成という感じのアルバムになりました。

17年には現時点での最新作「Walk the Earth」がリリースされます。

 

Joey Tempest (Vo)     John Norum (Gt)     John Leven (Ba)     Ian Haugland (Dr)     Mic Michaeli (Key)

6th : Start from the Dark (04)
7th : Secret Society (06)
8th : Last Look at Eden (09)
9th : Bag of Bones (12)
10th : War of Kings (15)
11th : Walk the Earth (17)

 

 


Start From The Dark

 

4️⃣ 考察

さて前置きでも言いましたがEuropeは一般的には「The Final Countdown」が世界的な大ヒットアルバムとなった事で知られてますが、Kee Marcello時代でもバラードが多いことを除いてバンドの芯は変わってないんですよね。

1枚目はチューニングの問題やボーカルのキーの問題はありますが、それ以上に楽曲や演奏に未来を感じるアルバムでした。
そして「Wings of Tomorrow」という名盤が生まれました。

やはり、プロジェクトが大きくなると、バンドを売ろうと有名なプロデューサーが付いての「The Final Countdown」でした。
Tempest、Levenはコマーシャル路線に行きたいプロデューサーに同意、Norumは反対だったんでしょう。
一枚だけならとやってみたら、モンスター級に売れてしまい、もうハードロック路線には戻れないんだなって感じでしょうね。

Norumの脱退後の初ソロアルバム「Total Control」を聞いてみても、当時のEuropeと音楽性はあまり変わらないんですよね。
「Total Control」というタイトルから考察するに、Norumは楽曲を提供した際にかなり編曲されたのだと思います。
ソロが長いとか、ギターが歪みすぎだとか、スクラッチはいらないとか。。
実際、「The Final Countdown」の収録曲に似ている曲もちらほらありますので。。

なので、特に人間関係で脱退したのではなく、ビジネス上の音楽の考え方の違いなんだろうと思います。

面白いのが、Norumはソロアルバムの途中から、Zakk Wyldeにハマり、リフがBLS的になり、そのヘヴィーなリフをEuropeの再結成に持ち込んだ事で、「Start from the Dark」の衝撃度がやばかったんですよね。

活動休止期間に他のメンバーもソロアルバムや、Blazen Abbotとかかなり活動的でしたよね。

最近は、WhitesnakeやUFOの様に、ヘヴィーブルース系にシフトチェンジしてきているのですが、「Walk the Earth」には本当に驚きました。
もうOpethなんですよね。笑 プログレバンドへとも行ける可能性を感じるこの期待感をトップのベテランのバンドから感じる事なんて、思いもしてませんでした。

今回はギターの話をすると究極に長くなりそうなので、また機会があればまた!
(はい、John Norumの大ファンなんです。笑)


オススメですが、全部です。笑

強いて3枚だけ選べば「Wings of Tomorrow」「Start from the Dark」「Secret Society」ですかね。
でも正直に本当に全部大好きです。

では、また次回! 🤘🤘Stay Metal🤘🤘

 


シークレット・ソサエティ

重金属系譜図6 - 80s 欧州メタル (メタル系譜図)

こんにちは!
ついに新ジャンルに入ります。
このブログで80年代欧州メタルは、NWOBHM,ジャーマンメタルとご紹介させていただきました。
イギリス、ドイツ以外の国からも80年代に出てきた欧州メタルバンドがたくさんいます。

次回からそういう80s欧州メタルバンドを紹介させていただきます!

 

 

 

 

1️⃣ 定義

70sハードロックからの派生でイギリスではNWOBHM、ドイツではジャーマンメタルアメリカではグラムメタルとその国独自のマーケティング方法と音楽スタイルが合致して起こったムーブメントに対し、自国ではジャンルが出来るくらいのムーブメントが起こらず、上記3つのムーブメントのどれかを利用し世界に出てきた欧州のバンドをここでは、80s欧州メタルと定義づけたいと思います。

基本的には、欧州の80年代はNWOBHMジャーマンメタルの音楽性に近く、その後90年代以降に、スウェーデンは正統派メタル、ネオクラシカルメロディックデスメタルが、ノルウェーではブラックメタルが、フィンランドではフォークメタルという新しいジャンルが生まれるきっかけになる時代でした。

ムーブメントというものには発展しなくても、デンマークのMercyful Fate/King DiamondやPretty Maids、ノルウェーTNTスウェーデンのEuropeやSilver Mountainなどの世界的に有名になったバンドが出ました。

この結果、あまりメタルの印象のない東欧からもメタルバンドが出てくる事になりました。
90年代以降は逆に欧州が世界のメタルを先導する事になりました。

 

 

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2️⃣ 主要バンド

Europe (Sweden)
Madison (Sweden)
Silver Mountain (Sweden)
Heavy Load (Sweden)
Glory (Sweden)
Universe (Sweden)
Treat (Sweden)
220 Volt (Sweden)
Alien (Sweden)
Merciful Fate (Denmark)
King Diamond (Denmark)
Pretty Maids (Denmark)
Witch Cross (Denmark)
TNT (Norway)
Drýsill (Iceland)

 

 

 

3️⃣ 考察

個々の国では当時はムーブメントと呼ぶようなものにはなりませんでしたが、現在、国の人口に対するメタルバンドの比率が世界一の国がフィンランドというように、メタルは今やヨーロッパを中心に周るようになりました。

その考察としましては、90年代に入りメタルムーブメントの崩壊が主要国(特にUS,UK)で起こった事により、大きなメタルというイメージが主要国から消えていったのに対し、ムーブメントの崩壊が起こっていない北欧では、ゴシックメタルメロディックデスメタル、メロディックハード、ブラックメタル、フォークメタルと、世界のメタルを先導する事になりました。

あと、全エンタメ業界に通じる事ですが、予算の大きいプロジェクトほど、失敗が絶対に許されないため、必然的にその時の流行を入れたり、ヒットが間違いない要素を入れたりするために、ジャンルのファンからすると、可もなく不可もなくという様な作品が多くなる傾向があります。

80年代にそこそこ有名になったくらいのバンドが90年代に入り、グランジやヒップホップがメインストリームの市場で予算の高いプロジェクトに手を出しそのまま解散という事も増えたのではと思います。

現在生き残っているバンドは、当時バブルの日本や地下シーンが残っていたドイツに方向を変えて活動を続けたバンドでした。

(注釈:NWOBHM,ジャーマンメタル、グラムメタルのバンドと比較して考察しております。90年代前後にUK.US.GERで生まれたジャンル、例えば、Thrash Metal,Death Metal, Power Metalなどは省いて考察しております。)



読んでいただきありがとうございました!
今回この考察のために、かなり懐かしいCDを聴く事になり気付きましたが、80年代の時点で、スウェーデンは独自のムーブメントがあったと定義しても良いくらい好きなバンドがいた事に気づきました。
音楽性にしても、Europeが代表例で、主要バンドに挙げましたスウェーデンのバンドに音楽的な一貫性がありますよね。

しかし、今回北欧メタルにまとめたのは、80年代後半から90年代初めのスウェーデンからCandlemass, Therion, Bathory, Meshuggah, Entombed, Dismember, など多種多様なジャンルのバンドが出てきたため、そのジャンルに入らないバンドをこちらのジャンルに入れようと思い、北欧メタルにしました。

このメタル系譜図は国別よりもジャンル別を優先しますので、北欧メタルに肝心のYngwie Malmsteenが入っていないのも、後々に「ネオクラシカル」というジャンル考察をするためです。

これ同様に、Manowar, Dio, Ozzy Osbourneなど、ジャンルに入らないメタルバンド を別枠で考察する予定です。
終わり次第、80年代のサブジャンルに戻る予定ですので、もう少しお付き合いください!!

では、次回から、バンド紹介にいきます!
ではまた次回! 🤘🤘Stay Metal🤘🤘

Steeler 初級編 (重金属系譜図5 グラムメタル)(メタル系譜図)

こんにちは!
本日はとりあえず最後のグラムメタルのバンドです。
80年にネオクラシカルというジャンルが生まれるきっかけになったバンドですね。
アメリカという地では地盤がなく失敗に終わりましたが、このバンドがあったからこそ、アルカトラズという伝説的なバンドが誕生しました。

ドイツのSteelerもいつか紹介したいですね。笑
ではいきましょう!

 

 

 

 

1️⃣ 歴史

1982年にアメリカのL.A.にてRon Keel (Gt/Vo). Michael Dunigan (Gt), Bobby Eva (Dr), Tim Morrison (Ba)にて結成されます。

「Cold Day in Hell」というシングルをリリースし、「Metal Massacre」というコンピレーションにも参加します。

その後、大きなメンバーチェンジが行われ、その際に当時19歳だったYngwie Malmsteenが83年に加入します。
メンバーが固まってすぐにバンドとYngwieの間で音楽的な方向性の違いが生まれます。
話し合いの末、Yngwieがバンドの方向性に合わせるという事で合意します。

バンドはスウェーデンから来たYngwieのビザ獲得に尽力したMike VarneyのShrapnel Recordsと契約します。
Metal Forceマガジンを筆頭に雑誌社がYngwieを取り上げた事で、Yngwieに大きなオファーが来て、そのまま彼はAlcatrazzへの移籍を決めます。
Steelerには約4ヶ月で、9回のライブしか在籍しませんでした。

Yngwieの脱退後、再び大きなメンバーチェンジをしますが、上手くいかず、Ron Keelはバンドを解散させ、ソロ活動へと動きます。


Ron Keel (Gt/Vo)     Yngwie Malmsteen (Gt)     Rik Fox (Ba)     Mark Edwards (Dr)

1st : Steeler (83)

 


Steeler

 

2️⃣ 考察

はい、Yngwieが在籍していた事で伝説的なバンドとなったSteelerですね。
アルバム1曲目の「Cold Day in Hell」ですが、確かにアメリカンなリフから始まりますが、冒頭の3秒の軽いソロで違和感を感じます。笑
しかし、これは同ジャンルのDokkenのGeorge Lynchも同じくソロで違う空間にリスナーを連れていくタイプのギタリストなのですが、この曲のソロであっ!となります。
明らかに違うジャンルが混ざってるんですよね。 

80年代以前のプログレ、ハードロックでもクラシックを融合させたバンド(Deep Purpleなど)はいましたが、クラシックパートへ行く際にコードの誘導があり、曲としてバンド全体でクラシックを演奏するという流れでしたが、SteelerとAlcatrazzに関しては、曲はハードロックのままで、ソロのみでクラシックの雰囲気にしてしまうんですよね。

これが僕の言う、Yngwieがソロになる前の方が良かったという理由です。
もちろん、ソロになってからのも大好きですが。

もう不可能だとは思いますが、Yngwieが他のバンドに入ったアルバムというのを聞いてみたいものです。

という事で、次回からは欧州メタルです!
Yngwieはネオクラシカルなので、また別ジャンルですが、80年代のヨーロッパは、イギリス、ドイツの成功と共にスカンジナビアを中心に良質のバンドが大量に出ました。

一気にマニアックになると思いますが、見ていただければと思います!
では次回!  🤘🤘Stay Metal🤘🤘

W.A.S.P.  初級編 (重金属系譜図5 グラムメタル)(メタル系譜図)

こんにちは!
本日はW.A.S.P.です!
直球のメタルにスモークだらけのステージ! これぞって感じのバンドですよね!
ではいきましょう!


 


1️⃣ 結成

1982年、アメリカのL.A.にてBlackie Lawless, Randy Piper, Rik Fox, Tony Richardsにより結成されます。
初期は生肉を客席に投げつけたり、セミヌードのモデルや拷問道具を使うなど過激なパフォーマンスで人々に認知されていきます。

バンドのデビューシングルは「Animal (Fuck Like A Beast)」。
タイトルと共にアルバムジャケットも問題作となります。

その後、数回のメンバー入れ替えがあり、84年にCapitol Recordsと契約、デビューアルバム「W.A.S.P.」をリリースします。

85年には「The Last Command」をリリース。
ビルボード最高位47とヒット作となります。


Blackie Lawless (Ba/Vo)     Chris Holms (Gt)     Randy Piper (Gt)     Tony Richards (Dr)

1st : W.A.S.P. (84)

Blackie Lawless (Ba/Vo)     Chris Holms (Gt)     Randy Piper (Gt)     Steve Riley (Dr)

2nd : The Last Command (85)

 

 


魔人伝



2️⃣ 黄金期

86年に「Inside the Electric Circus」がリリースされ、このアルバムが大ヒット作となり、一気に有名になりますが、その代償として、「Parents Music Resource Center (PMRC)」(音楽の歌詞等を検閲し不適切な表現などを調べる機関)に目をつけられ、暴力的やセクシャルな歌詞を指摘されます。
結果、匿名でコンサート会場の爆破予告などの被害を受けます。

89年にChris Holmesが脱退します。そして「The Headless Children」をリリースします。
このアルバムが初めて露骨なセクシャル表現を使用しないアルバムとなりましたが、セールスも落ち込んでしまいました。

その後、Black Lawlessは映画「ターミネーター2」のT-1000役の候補となります。
しかし、背が高すぎるという事でRobert Patrickに決まりました。

92年に「The Crimson Idol」をリリースします。


Blackie Lawless (Vo)     Chris Holms (Gt)     Johnny Rod (Ba)     Tony Richards (Dr)

3rd : Inside the Electric Circus (86)

Blackie Lawless (Vo)     Chris Holms (Gt)     Johnny Rod (Ba)     Frankie Banali (Dr)

4th : The Headless Children (89)

Blackie Lawless (Ba/Gt/Vo)     Bob Kulick (Gt)     Frankie Banali (Dr)

5th : The Crimson Idol (92)


 


Dying for the World


3️⃣ 中間期

95年には「Still Not Black Enough」をリリースします。
最初はビクターから日本のみでリリースされ、96年に全世界でリリースされました。

96年にChris Holmesが復帰し、翌年に「Kill. Fuck. Die」をリリース。
インダストリアルの要素が入り、少し方向性を変えたアルバムとなりました。

99年には「Helldorado」をリリースします。
インダストリアルは消えましたが、メタルでなくロック色の強いアルバムとなりました。

バンドは01年に「Unholy Terror」を、02年に「Dying for the World」をリリースします。
このアルバムで従来の彼らのサウンドに戻ります。

04年にはNeon Godという二枚に渡るコンセプトアルバムをリリースします。


Blackie Lawless (Ba/Vo)     Chris Holms (Gt)        Frankie Banali (Dr)

6th : Still Not Black Enough (95)

Blackie Lawless (Gt/Vo)     Chris Holms (Gt)     Mike Duda (Ba)     Stet Howland (Dr)

7th : Kill Fuck Die (97)
8th : Helldorado (99)
9th : Unholy Terror (01)

Blackie Lawless (Gt/Vo)     Darrel Roberts (Gt)     Mike Duda (Ba)     Frankie Banali (Dr)

10th : Dying for the World (02)
11th : The Neon God : Part 1 - The Rise (04)
12th : The Neon God : Part 2 - The Demise (04)



Dominator

 


4️⃣ 現在


07年に「Dominator」をリリースします。
09年にDemolition Recordsに移籍し、「Babylon」をリリースします。
15年には15枚目となる「Golgotha」をリリースします。

17年に「The Crimson Idol」の25周年記念で「Reidolized (the Soundtrack to the Crimson Idol)」をリリースしました。


Blackie Lawless (Vo)     Doug Blair (Gt)     Mike Duda (Ba)     Mike Dupke (Dr)

13th : Dominator (07)
14th : Babylon (09)
15th : Golgotha (15)
16th : Reidolized (17)



 


Babylon


5️⃣ 考察

W.A.S.P.ですが、実はメタルを聴き始めた初期の頃に出会い好きなバンドです。
なんか80sメタルのコンピレーションアルバムに入ってたのですが、とりあえず心地よいんですよね。
他のグラムメタルバンドに比べて湿った感じが(音の雰囲気が)しますし、イギリスのメタルが好きな僕には最高でした。

そして、ステージ上で作る独特な雰囲気もかっこいいですよね!
90年代の終わりの「Kill Fuck Die」あたりでは実験的なサウンドになってましたが、正直カッコ良いんですよね!

オススメですが、初期3作はマストですね!「W.A.S.P.」「The Last Command」「Inside the Electric Circus」ですね。
そして、「Dying for the World」「Dominator」「Babylon」あたりも最高です。

個人的には最初は「Still Not Black Enough」から「Unholy Terror」までを外す感じで失敗ないと思います!
90年代のは制作費がないのか、プロダクションが弱い感じがしてるのと、やはりメタルシーンの縮小で、W.A.S.P.は音楽の方向性は変えてないんですが、ちょっと違う雰囲気があります。

では、次回でグラムメタルはとりあえず最後です! 最後のバンドをお楽しみに!

ではまた次回! 🤘🤘Stay Metal🤘🤘