Takuya Yada's 重金属ブログ

関西で音楽活動(主にメタル)をしているTakuya Yadaがメタル、イギリス、映画について考察するブログです

Uli Jon Roth 初級編 (重金属系譜図4 ジャーマンメタル)(メタル系譜図)

こんにちは!
本日は、Uli Jon Rothです。 今回でとりあえず、ジャーマンメタルは終わりにして、次回はジャンル考察から新たなジャンルに移ります!

後のネオクラに多大な影響を与えたUli Rothですが、90年代は一切表舞台から消えてしまいます。
初級編ではとりあえず、全体的な流れだけ抑える感じで書いていきたいと思います!

 

 

 

1️⃣ Dawn Road ~ Scorpions

1970年の初めに、「Dawn Road」というバンドの結成に関わります。
73年にMichael SchenkerがUFOへの参加のためにScorpionsを脱退し、「Dawn Road」の4人がScorpionsと合流します。
最終的に、その時点でレコードデビューしていた、Scorpionsの名前を使う事になり、RothはそのままScorpionsのメンバーとなります。

 


Fire Wind

 


2️⃣ Electric Sun

商業的な路線に傾き始めたScorpionsに不満を持ったRothはScorpionsを脱退し、自分のバンド「Electric Sun」を結成します。
78年にScorpionsで来日し、日本で得た新しい音楽感、哲学にインスパイアされて製作された「Earthquake」が79年にリリースされます。

Jimi Hendrixの魂に捧げるという副題がつけられ、そのアートワークには、Hendrixの最後の恋人であったMonika Dannemannが担当します。
そのアートワークは「Rising Force」という名前がつけられ、後にAlcatrazを脱退したYngwie Malmsteenのバンド名にRising Forceが使われました。

ちなみに、アートワークの裏表紙を書いたのは、レイラ・ワタナベという日系フランス人で、Scorpionsの「Taken by Force」の最後の曲「Born to Touch Your Feelings」の最後のセリフでフランス語パートを担当しています。

2枚目の製作前に、ドラマーのClive Edwardsが脱退し、代わりにSidbatta Gautamaが加入します。
2枚目はさらに精神世界を描いた曲が多くなり、本人曰く、当時のエジプトのサダト大統領に捧げるとしました。(平和活動の功績を称えて)

アートワークは再びモニカが書きましたが、最初、ジャケット右にアルバム収録曲にもある広島の原爆が描かれており、このアルバムは全てがポジティブ出ないといけないというRothの意向で書き直されました。

3枚目の製作前にオリジナルギター「Sky Guitar」が開発されます。
通常のギター22-24フレットに対し、30フレットでピックアップも通常と違うコイルの巻き方という規格外のギターでした。
そのギターが作品で初めて披露されたのが、85年の「Beyond the Astral Skies」です。

Michael Flexigや弟Zeno Rothなども参加して、バンド作品というより一つのプロジェクトの様な壮大な作品になりました。


Uli Roth (Gt/Vo)     Clive Edwards (Dr)     Ule Ritgen (Ba)

1st : Earthquake (79)

Uli Roth (Gt/Vo)     Sidhatta Gautama (Dr)     Ule Ritgen (Ba)

2nd : Fire Wind (80)

Uli joth (Gt/Vo)     Ule Ritgen (Ba)     Nicky Moore (Vo)     Clive Bunker (Dr)     Michael Flexig (Vo)     Zeno Roth (Gt)

3rd : Beyond the Astral Skies (85)

 


天地震動~ジミ・ヘンドリックスの魂に捧ぐ~(紙ジャケット仕様)

 

3️⃣ ソロ活動期

その後、Rothは4つの交響楽と2つのコンチェルトを製作するため、一時バンド活動から遠ざかります。
91年に「Aquila Suite」を録音しますが、金銭面と内容面でリリースはされませんでした。
(98年にリリースされる事になります)
この作品は、ピアノ作品でギターは一切使用されませんでした。

96年にSky Guitarを全編に使用したアルバム「Sky of Avalon」がリリースされますが、これもプロジェクトの様なものでした。

バンド活動復活のきっかけとなるのが、98年のドイツ版のG3でした。
Joe SatrianiとMichael SchenkerとのG3でしたが、これで、再び注目される事になります。
その後、Brian Mayのライブでのゲスト参加やDVDにもなった「Castle Donington」でのライブと次第に露出が増えていきます。

00年には、「Transcendental Sky Guitar」をリリース。
G3でのライブ演奏と、Don Aireyとのセッションを元に作られた2枚組のアルバムになりました。

03年には、ヴィヴァルディの四季をカヴァーしたアルバム「Metamorphosis of Vivaldi’s Four seasons」をリリースします。
引き続きDon Aireyがハープシーコードでゲスト参加しました。

06年には、ScorpionsのゲストとしてWacken Open Festで演奏し、07年には、The Smashing PumpkinsのゲストとしてRock am Ring Festへ出演します。

この頃にSky of Avalonプロジェクトが動き出し、06年に「Under a Dark Sky」をリリースします。

2010年頃より、イギリスのバーミンガムに拠点を移し、地元のミュージシャン達を集め、年間100以上のライブをこなす様になりました。
そして、その活動からの発展で、Scorpions時代の曲を主に演奏するライブシリーズが生まれ、15年に「Scorpions Revisited」としてリリースされました。

そのツアーでソロ活動の始まりの場所「中野サンプラザホール」での公演が決まり、DVDとしてリリースされます。


Uli Jon Roth (Piano/Composing)

4th : Aquila Suite (91)

Uli Jon Roth (Gt)     Tommy Heart (Vo)     Michael Flexig (Vo)

5th : Sky of Avalon (96)

Uli Jon Roth (Gt)     Don Airey (Key)

6th : Transcendental Sky Guitar (00)
7th : Metamorphosis of Vivaldi's Four Seasons (03)

Uli Jon Roth (Gt)      Mark Boals (Vo)     Liz Vandall (Vo)

8th : Under a Dark Sky (06)

Uli Jon Roth (Gt)     Nathan James (Vo)     Liz Vandall (Vo)     Jamie Little (Dr)     Ule Ritgen (Ba)      Niklas Turmann (Gt/Vo)     Corvin Bahn (Key/Vo)     David Klosinski (Gt)

9th : Scorpions Revisited (15)    

 


Transcendental Sky Guitar

 

4️⃣ 考察

僕にとって、Uliさんがいなければ今がないというくらいに影響を受けた方ですので、考察はかなり困ります。笑
が、まずは、たくさんの事についてパイオニアなんですよ。
まず、Uliさんはギター以外に、ピアノ、ヴァイオリンもプロ並みに上手く、当時ギターでアルペジオを演奏している人で有名な人はいませんでした。
今では、スイープピッキングとして定着している奏法ですが、当時はブロークンコードなどと呼ばれて、コードの構成音をアルペジオで弾くのをロックギターで最初にやった方だと思います。
そして、ハードロックやメタルにオーケストラを使用するというバンドは90年代にもにいましたが、オーケストラにロックギターが入るというのは、彼が先駆者の一人だと思います。

今のところ、90年代の作品がかなり未発表になっている様で、コンチェルトの「Sky Concerto」、交響楽の「Europe ex Favilla」と「Hiroshima de Profundis」、モニカに捧げるアルバム「Requiem for an Angel」とわかっているだけでも4作品が未発表です。
機会があれば、デジタルのみでも良いので発表して欲しいですね!

個人的な話は大量にありますが、とりあえずScorpions Revisitedに至るまでのお話だけにします。

2011年頃に、Uliさんはパブや小さな会場で演奏をやり始めました。
僕は、見れるだけでもということで、イギリス、フランスと飛び回りましたが、2012年から、ライブの数が年間30くらいに増えました。
当時は、Electric Sun , Scorpions, Jimi Hendrixの曲がバランス良く構成されてて、ライブは会場の制限がなければ3時間を越すこともありました。

その年に、Sky AcademyのUK版を作るということで、Cornwallのplymouthで音楽学校主宰の集会があり、そこで僕が初めてお会いしたという訳です。
小さな部屋に15人ほどで、セミナーがあり、その後音楽学校のホールに移り、ライブがあり、そこで一緒に演奏までさせていただきました。

それから、何度かライブ会場でお話をさせていただくことになり、Scorpionsのセットでライブをしたいと言われてました。
そして、次第に、Scorpionsの曲がセットに多くなりました。

その年に、アメリカの長期ツアーが決まりました。
今考えたら、このアメリカツアーや中野サンプラザでのメモリアル公演を視野に入れた戦略だったのだと思いました。
それから、ドラマーのJamieのみを残して、メンバーチェンジを行い、ライブも年間で100近くこなし、Scorpions Revisitedが完成したということです。

長くなりそうなので、オススメに移りますが、初めての方にオススメという方向性で選びます。
Electric Sunの「Earth Quake」「Fire Wind」はマストです。
ハードロックを知らない方でも、「Transcendental Sky Guitar」の魅力には気付くとは思います。 本当にライブなのに良く出来た作品です。
最後に、「Scorpions Revisited」はScorpionsを知らない方でも新鮮でカッコイイと感じるアルバムだと思いますよ!

では、次回から、次のジャンルに移ります!
ではまた次回!  🤘🤘Stay Metal🤘🤘



スコーピオンズ-リヴィジテッド


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