Takuya Yada's 重金属ブログ

関西で音楽活動(主にメタル)をしているTakuya Yadaがメタル、イギリス、映画について考察するブログです

イギリスのバンドツアー事情

こんばんは!
今日は、イギリスでツアーミュージシャンをしていた時のことを書きます。
今は、日本で活動中でツアーはまだしたことないので比べるという事は出来ないのですが、自分なりの考察をしていきます。


まず、ツアーミュージシャンということで、ブッキングなどの内部事情は聞いた話がメインになりますが、初めていきましょう。

 

1️⃣ ツアー前の準備

ツアーをやる際に必要なのは、まず日程と演奏場所の確保です。
例えば2週間で10箇所で演奏すると決めます。
ロンドンの周りで10箇所は人が分散して効率が悪いので、大きな都市やメタルみたいなジャンルなら、メタルが盛んな都市(大都市は大抵盛んですが)を探します。
ロンドンからスタートなら、右回りで、
ロンドン→レディング→バーミンガムノッティンガムニューカッスルグラスゴー→カーライル→マンチェスターリバプール→サウスハンプトン→ロンドン

みたいに組んでいきます。
ロック・メタルが盛んな場所って意外な所にあって面白いです。
レディングは、Reading Festが有名ですが、正直田舎ですし、会場の場所としては有名でもその地域にメタルが根付くのは違いますし、、と思っていましたが。
レディング西にNewburyという場所があり、そこのロックスクール(School Of Rockの様な放課後のロックスクール)がメディアで拡散され有名になり、オックスフォードや周りの都市から通う人もいるみたいです。
演者が多いなら、シーンが出来るのも理解できますね!!

場所に関しては、イギリスは街フェスが結構多く、夏は大型フェス、春と秋は街フェスが多いので、そのフェスに合わせて日程を組むことが多かったです。

あとは、バン(ツアー車)の手配と、ホテルの手配です。

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サポートメンバー(レコーディングにも参加)だったStuka Squadronの時はこんな感じでした。
モニター付き、スピーカー付きの車内で、後ろの壁の向こう側が大きなトランクになっていて、そこにアンプやドラムセットなどの機材を積みます。

ホテルは基本安いチェーン店。 何回か、ライブハウスで寝たこともありました。。笑

 

2️⃣ ツアーに出る

ツアーに出る前に少しお話を。
基本的に、大きい会場を使わない限りイギリスにはノルマというのがありません。
多分、アメリカも同じだと思いますが、会場内のドリンク代で、十分にお店の儲けが出るからです。
ですので、ライブ会場は基本的にドリンクを売るためにバンドを雇うという考え方です。

こういうことで、プロモーターを通さずにツアーするバンドも多いですし、僕もその経験がありますが、その場合は、ツアーでかかる経費を計算して、会場にギャラの最低保証額を問い合わせ、最終額が赤字にならなければOKという感じです。
あとは、集客が多い場合の会場からのギャラの上乗せとCD,グッズなどの物販収入でやっていく感じですね。

ツアーに出ると、基本ずっと車内です。。笑
正直、車内、昼食で寄るパーキングエリアの食堂、会場周りとホテル以外出歩くことが出来ないので、どこにいるのかさえ分からなくなります。
オフの日は基本的に移動日で、たまに自由行動できる事があるといったのが基本です。。

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ドイツ・ハンブルグで、Headbangers Open Air フェスティバルの前夜祭に出演した時の写真です。
ロンドンから、ツアー車のままフェリーに乗り込み、フランス、オランダを車で横断してドイツまで、、とかなりの体力戦でしたが、1日目は、カンタベリーまでの車移動とフェリー移動で観光だとはしゃいでいたら2日目。
今日は車移動だけと言われ、落ち込んだ記憶があります。笑

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そして、プロモーターの方から、無料でHeadbangers Open Airのチケットを頂き、観てきましたが、夜は、お客さんと同じ様にテントで寝る。。まあそれはそれで楽しいから。。
お昼はこんな感じでゆったりとしてます。



そして、次に日本との違いがあるのは、機材です。
日本のライブハウスは、大きなイベントスペースを借りたら違いますが、普通はライブハウスに基本的な機材は揃ってて、それを使用しても良いのですが、イギリスの場合は、ライブハウスでも、イベントスペース扱いで、機材はミキサーしかないのが当たり前です。

ですので、他の都市でのライブでは、地元のバンドを探す際に、基本的な機材を使用させてくれる(ドラムのシンバルなどの消耗品以外)バンドを探してイベントを作ります。


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こちらの写真は、チェコのメタルフェスに出演した時のですが、数百人規模の小さいガーデンフェスなんですが、この様に毎回、機材搬入と搬出があります。
普通のライブハウスでも同様です。(空っぽの舞台の写真がありませんでしたので。。)

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borkovanyというチェコのブルノから数時間の所なのに、たくさんの人が来てくれて楽しかったですね。
ガーデンフェスとはいえ、初めてヘッドライナーを体験しました。
(ちなみに僕は一番左のです。笑)
Stuka Squadronは零戦機みたいなドイツの戦闘機の名前なんでわかる様にちょっとしたコンセプトバンドでした。
ドラマーが元Blaze Bayleyだったこともあり、音楽性は正統派なIron Maidenサウンドでした。笑

 

3️⃣ まとめ

どうでしたか?
海外でライブをと考えられている方なら、日本のプロモーターに頼るしか。。となるでしょうが、正直英語さえ出来れば、自分たちでツアーを組む事も可能ですよ。
プロモーターと言っても、趣味でやってる方も多く、各地、各国そういうプロモーターだけを使って、それを自分たちでスケジュールを管理すれば、結構安く行けますしね。
後、国は言いませんが、プロモーターに騙されてとんでもない目にあったなんて話よく聞きますからね。

今は、こういう時期で国内でも活動が難しい状況ですが、復活したら昔の様にガンガンやっていきたいですね。


ではでは、また次回! 🤘🤘Stay Metal