Takuya Yada's 重金属ブログ

関西で音楽活動(主にメタル)をしているTakuya Yadaがメタル、イギリス、映画について考察するブログです

Thin Lizzy 初級編 (重金属系譜図70sハードロック)

こんにちは!
今日は、重金属系譜図の70sハードロックから、アイルランドのスターThin Lizzyの初級編をやっていきます。

 

 



1️⃣ 結成


1960年初めのダブリン。Phil LynottとBrian Downeyが同じ学校で知り合います。
60年代中旬にThe Black Eaglesというバンドで2人は演奏していると、フィルは、Skid Rowのボーカルとしてバンドに誘われました。そして1967年に加入。
その1年後1968年には、Skid Rowに10代だったGary Mooreが入ります。
69年にTV収録で失敗したフィルは解雇されますが、リーダーであり、ベーシストだったBrush Shielsとの関係は良いままで続き、彼がフィルにベースを教えていたそうです。

69年に、PhilとDowneyはダブリンのパブで演奏するチャンスを得る。その演奏に興味を持ったのがEric Bellというギタリストで、彼は演奏のブレークタイムで二人に話しかけて、ロックバンドを組みたいという意見で合意します。
70年バンドを組んですぐに、プレスの興味を引く、2月には、バンド名をThin Lizzyと公表します。

Thin Lizzyの名前は、イギリスの子供向けコミックThe DandyのキャラクターTin Lizzieから取られ、アイリッシュの発音で発音したものをそのまま英語綴りにしてThin Lizzyとなりました。

71年、1st アルバムThin Lizzyをリリース。
売れ行きは良かったが、イギリスのチャートには入りませんでした。
イギリスチャートを意識してバンドはロンドンへと活動場所を移し、72年に2ndアルバム Shades Of A Blue Orphanageをリリース。
この頃には、すでにケルト音楽とRockの融合が行われていて、Thin Lizzyの音楽の方向性が決まったアルバムになりました。

72年に、アイルランドのバラッド  Whiskey In The Jar がThin Lizzyバージョンでリリースされ、アイルランドチャートで1位、UKチャートで6位を大ヒットし、彼らの起点となるシングルとなりました。

73年には、3rdアルバム Vagabonds of the western worldがリリース。
シングルの成功とは反対に、アルバムはセールス的に失敗となりました。
その後すぐに Eric Bellが脱退。 ツアー要員として、フィルがSkid Rowで一緒だったGary Mooreが参加します。
ツアーが終わましたが、Mooreは三曲だけレコーディングに参加します。
そして、四枚目のアルバムNightlifeが完成します。


Phil Lynott (Ba/Vo)     Eric Bell (Gt)     Brian Downey (Dr)

1st :  Thin Lizzy (71)
2nd : Shades Of A Blue Orphanage (72)
3rd : Vagabonds Of The Western World (73)
  


VAGABONDS OF WESTERN WORL


2️⃣ ツインギター


74年にフィルはツインギター構成を思いつき、オーディションを開始しますが、レコードレーベル側は名の通ったギタリストを探すように要求した結果、時間だけが経ち、最終的にDeccaレコードとの契約が切れてしまいます。

その後もオーディションを続け、18歳のBrian Robertsonと、アメリカ出身のScott Gorhamが加入します。
75年にバンドは初めてのアメリカツアーを行い、アルバムFightingを完成させます。
76年にはJailbreakをリリースしイギリスで8位、アメリカで12位というヒットとなります。

同年、次のアルバムJohnny The Foxの制作に入りますが、PhilとRobertsonの間に溝が生まれ、クビにはならなかったものの、QueenのサポートツアーにはGary Mooreが呼び戻されました。

77年、Bad Reputationの制作では、Mooreは元のバンドColosseum II に戻ったため、Robertsonを戻すことを考えたが、Robertsonがバンドの立ち位置に疑問を感じていたため、ゲスト名義でレコーディングにだけ参加することになりました。

Phil Lynott (Ba/Vo)     Scott Gorham (Gt)     Brian Robertson (Gt)     Brian Downey (Dr)

4th : Nightlife (74)
5th : Fighting (75)
6th : Jailbreak (76)
7th : Johnny the Fox (76)
8th : Bad Reputation (77)


脱獄



3️⃣ Gary Moore期


78年にツアーのみの参加しかなかったGary MooreをPhilはついに口説き落とし、正式メンバーとなりました。
79年には、Black Rose : A Rock Legendをリリースしますが、再び脱退を発表。Mooreはソロ活動を本格的に開始させます。


Phil Lynott (Ba/Vo)     Scott Gorham (Gt)     Gary Moore (Gt)     Brian Downey (Dr)

9th : Black Rose : A Rock Legend (79)

 


BLACK ROSE

 

4️⃣ 解散

 

80年にChinatownの制作に入り、リードギタリストとして、Pink FloydのライブでバッキングギタリストをやっていたSnowy Whiteを呼びレコーディングします。
レコーディングにキーボードとして参加していた18歳だったDarren Whartonが正式メンバーとなり、Renegadeをリリース。

82年より、メンバーの間にドラッグなどの健康面面で様々な問題があったため、バンドは少しの活動休止期間に入ります。
その間に、Whiteが脱退。
代わりに、Tygers Of Pan TangのJohn Sykesが加入。
そして、ラストアルバムとなるThunder And Lightningがリリースされます。
このリリースツアーにて、PhillとGorhamはバンドに限界を感じます。Philはソロツアーを行い始め、バンドは83年9月のMonster Of Rockフェスを最後に解散しました。


Phil Lynott (Ba/Vo)     Scott Gorham (Gt)     Snowy White (Gt)     Brian Downey (Dr)

10th : Chinatown (80)

Phil Lynott (Ba/Vo)     Scott Gorham (Gt)     Snowy White (Gt)     Brian Downey (Dr)     Darren Wharton (Key)


11th : Renegade (81)

Phil Lynott (Ba/Vo)     Scott Gorham (Gt)     John Sykes (Gt)     Brian Downey (Dr)     Darren Wharton (Key)

12th : Thunder and Lightning (83)

 

 


サンダー・アンド・ライトニング [SHM-CD]

 

5️⃣ Phil Lynottの死

 

ソロ活動を精力的に行っていたPhilでしたが、ドラッグが原因での肺炎と敗血症にて、86年1月4日に36歳の若さで亡くなりました。

その後、バンドは、継続的ではないものの、John Sykesをフューチャーしたメンバー構成で2010年まで活動を続け、その後、Ricky Warwickを迎え、Black Star Ridersと名前を変え2019年まで活動を続けました。

 

 

6️⃣ 考察

アイルランドのハードロックバンドと言えば、Thin Lizzyしかいないというくらい地元のヒーローとなったThin Lizzy
実際に、Phil Lynottの銅像はいまだにダブリンにあるくらいです。

イギリスという国はややこしく、アイルランドも南北で別の国。
そんな中、Gary MooreとPhil Lynott. Brian Downey . Eric Bellが同じ場所にいた事が奇跡であり、もしPhilだけが無名でロンドンへ来てバンドを結成してから成功していたら、Thin Lizzyのようなバンドは出てこなかったと思います。

日本でも最近は、地方でのシーンが賑わって来ており、これが定着すれば、うもれてそのまま止めていくような優秀な地方のバンドに光が当たる機会が増えると期待してます。

前回のUFOがイングランドを感じるなら、Thin Lizzyアイルランドを感じられるバンドです。
アイルランド民謡や音階をハードロックに使い、フィルのあのポエティックな歌唱法が独特な雰囲気を出してます。

そして、ツインギター。 Thin Lizzyツインギターに影響を受けたバンドは数多く。
それまでツインギターはWishbone Ashというイメージがありましたが、Thin Lizzyは独特の度数のハモリで楽曲を色付けています。

入門CDは、Jailbreak , Bad Reputation , Black Roseですね!
Gary Mooreのイメージの強いバンドですが、黄金期は、Brian Robertson期ですよね。
前にやったMotorheadから、個人的にBrian Robertsonにハマってます。笑

後期なら、Renegadeは名盤です。
Sykes時代も良いんですが、音がThin Lizzyではないんで、最初の方に聞くアルバムではないかなとは思いますね。

という事で、この辺りで終わりますね。
では、また次回! 🤘🤘Stay Metal🤘🤘


  
Bad Reputation